浮気の証拠を押さえた時に、頭の中に浮かぶ次のアクションは「慰謝料の請求」だと思います。
私も4年前、パートナーの浮気の証拠を押さえることが出来ました。
パートナーの携帯電話にマッチングアプリがインストールされていることを知り、不審に思って探偵に浮気調査を依頼したのです。
調査は長期間に渡ったものの「浮気の決定的な写真」を撮ってきてくれました。
ショックはとても大きかったのですが、調査費用が予想以上にかかりましたし、何よりも自分や子供の未来のためにも「ゼッタイに1円でも多く慰謝料を取ろう」と決意しました。
そして弁護士・探偵・離婚経験者に慰謝料請求に関する様々なアドバイスを求め、結果的に一般的な慰謝料の相場よりも、高い金額の請求に成功しました。
今回お伝えするのは
- 浮気の慰謝料の相場
- 慰謝料の金額増減のポイント
- 慰謝料を多く貰うためのテクニック
です。
慰謝料の請求を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
浮気の慰謝料の相場は50万~300万!増額減額のポイントとは
まずは浮気の慰謝料の相場ですが、証拠があった場合に請求できる金額は一般的には50万~300万と言われています。(証拠がない場合のケースに関しては【Q&A】浮気の慰謝料請求に関する「よくある質問」の章で紹介します)
この相場を見た時に「金額の幅が大きい」と思いますよね。
それもそのはずで、浮気の慰謝料は「離婚するかどうか」「浮気の証拠の有効性」「浮気によって被った被害」などで、大きく差が生まれます。
それでは、具体的にどんなポイントで「増額」「減額」となるのかお伝えしていきます。
浮気の証拠が有効かどうか
まずは証拠の有効性が大きな鍵になります。浮気の慰謝料を請求するためには「不貞行為があった」ことが分かる証拠だと有利になります。
以下は有効とされている証拠の一例です。
- ラブホテルに浮気相手と一緒に入るところを押さえた写真
- 浮気相手との不貞行為が確実視されるLINEのやりとり(できれば複数回)
- ラブホテルの領収書、車のナビの履歴などの複合的証拠
- 浮気相手との不貞行為の際の音声
ここで気を付けなければいけないのが、自分では「浮気の証拠」と認識していても、裁判の際に有効と見なされない場合があるということです。
これは自分で浮気調査を行った際に起こりがちなアクシデントです。
例えば「浮気相手とのLINEのやりとり」は、スクリーンショットだと”画像の改ざん”が疑われてしまい、効果が薄れる場合があります。
もっと詳しく「有効な証拠」について知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。
-
浮気の慰謝料を取りこぼしたくない!「有効な証拠」と「無効な証拠」
浮気調査はとてもタフな作業です。 ただでさえ心が傷ついているのに、自身で「探偵」「弁護士」と段取りしなければならないですし、費用だって馬鹿になりません。 中には時間や費用の関係で、浮気調査そのものを自 ...
続きを見る
浮気が悪質だったかどうか
その浮気が悪質だったかどうかは、慰謝料の増減に大きく影響します。
一体どのようなことが「悪質」と見なされるかは、以下をご覧ください。
- 浮気の頻度が多い
- 浮気の期間が長い
- 浮気が主導的(パートナーから積極的に浮気に持ち込んだ)
- 浮気相手との年齢差が大きい
- 浮気を否認した
- 「浮気しない」という約束をした過去がある
- 浮気相手がパートナーのことを「既婚者」と知っている
- 浮気相手に子供ができてしまった
- 浮気したことを反省していない
これらが複数当てはまっていると、浮気が悪質と捉えられて、慰謝料が増額になりやすいです。
ただし「浮気の証拠を押さえる」と「悪質な浮気の証拠を押さえる」は、かけなければいけない労力が変わります。
悪質性を証明したい場合は、自分だけで浮気調査を行うのではなく、プロの探偵にも手伝ってもらった方がいいでしょう。
浮気によってあなたが被った被害はどれくらいか
パートナーの浮気によって「あなたが負ったダメージの大きさ」というのも、慰謝料の増減のポイントになります。
例えば以下のようなことがあると、被害が大きいと認められやすいです。
- 精神的損害をこうむった(鬱病になった)
- 家庭に子供がいる
- 円満な家庭環境を築いていたのに浮気された
- 浮気の他に、DVなどがあった
「嫌な気持ちになった」という感情論だけでなく、落ち着いてダメージの大きさの”事実”を提出しましょう。
例えば精神的損害を被った場合は診断書があると証明しやすいです。
DVがあった場合は録音や録画などが有効です。
離婚するかどうか
離婚するかどうかも一つの重要なポイントです。
「離婚する」「別居する」「婚姻生活を続ける(同居を続ける)」のいずれかによって、以下のように慰謝料の相場に変化があります。
◆離婚する
200万~300万
◆別居する
100万~200万
◆婚姻関係を続ける(同居を続ける)
50万~100万
なぜ離婚するかどうかで相場に変化があるかと言うと「あなたの今後の生活資金源が変わる」というのは分かると思いますが、もう一点重要なのが「慰謝料の請求相手が変わる」という点です。
詳細については次項でお話します。
慰謝料の請求を「パートナー」「浮気相手」の双方にするのか
前項で離婚するかどうかで「請求相手が変わる」ということをお伝えしたと思います。
まずは具体的にどのように変わるのかの例をお伝えします。
◆離婚する
「パートナー」「浮気相手」「パートナー&浮気相手」のいずれかに請求。
◆別居する
「パートナー」「浮気相手」「パートナー&浮気相手」のいずれかに請求。
しかし、生活資金をパートナーに依存する場合は、パートナーに請求できる金額が減る可能性がある。
◆婚姻関係を続ける
「浮気相手」のみに請求するのが一般的。
慰謝料の請求金額は、パートナーと浮気相手の双方に請求した方が、合計金額が大きくなりやすいです。
しかし、ここで注意しなければならないことがあります。それは「浮気相手に請求できない可能性がある」ということです。
浮気相手が「パートナーが既婚者であると知らなかった」「パートナーの強姦や脅迫によって肉体関係をもった」「未成年、もしくは支払い能力がない」という場合に、請求できない可能性があるので、気を付けてください。
示談によって慰謝料を請求するか
調停や裁判を行わずに、示談によって慰謝料を請求する方法もあります。
まずは示談をするとどんなメリット・デメリットがあるのかをお伝えします。
メリット
◆早期の解決が見込める
調停や裁判の場合は、半年~3年ほどかかると言われています。
示談の場合は、すぐに決着がつくことも多く、手間や時間を短縮することができます。
◆慰謝料の増額が見込める
調停や裁判の場合は、過去の判例などから「相場」が決められているのですが、示談の場合の慰謝料の上限はありません。
なので、請求相手が社会的に高い地位にあったりして、事態を大きくしたくない時などは、示談の方が増額を見込めます。
デメリット
◆相手の同意が必要
示談の場合、かならず相手の同意が必要になります。
また、相手が一枚上手だったりすると、言いくるめられて慰謝料を安くされる可能性もあります。
対策としては「証拠を用意して、言い逃れできなくする」「弁護士を同席」「内容証明の送付」などで、立場を有利にすることです。
また、それでも納得いく示談が出来なかった場合は、速やかに裁判・調停に移行した方が良いでしょう。
◆請求の強制執行(差し押さえなど)が出来ないかもしれない
口約束だけでは、実際に慰謝料が支払われなかった際に「法的措置」を行いづらくなります。
弁護士に相談の上で、示談内容を公正証書にするなどの対策をとった方が良いでしょう。
以上になります。
示談は交渉次第で増額の期待ができますが、その反面でリスクが伴うのも事実です。
相手の方が一枚上手の場合は言いくるめられてしまいますし、示談中に相手が逆上する可能性もあります。
できれば弁護士を同席の上で、話し合いを行った方が良いでしょう。
【Q&A】浮気の慰謝料請求に関する「よくある質問」
ここからは浮気の慰謝料請求時のよくある質問を紹介したいと思います。
慰謝料を取りこぼさない為にも、一度目を通してみて下さい。
証拠がない場合は慰謝料の請求ができない?
「証拠がない完全にない」「パートナーが自白もしない」場合には、慰謝料の請求は難しいかもしれません。
しかし諦める前に、まずは小さな痕跡でも、数を集めるのが重要です。
小さな痕跡を集めると、複合的に浮気を証明できる場合があります。
(ただし、浮気の悪質性は証明しづらいので、慰謝料は減る可能性があります)
浮気の慰謝料請求に時効はあるの?
浮気の慰謝料の請求には、民法724条によって時効が定められています。
それは「あなたが浮気を知ってから3年間」です。
浮気を知る…の基準としては「不倫の事実を知る」「不倫相手を知る」の二つです。
また「不貞行為があってから20年間が経過」した場合も、慰謝料の請求権は消滅します。
前者の「3年間」に関しては、場合によっては時効の延長が認められることがありますが、後者の「20年間」はいかなる理由でも、基本的に時効の延長は認められません。
パートナーと未婚でも慰謝料を請求できるの?
未婚の場合は、残念ながら慰謝料の請求は難しいです。
婚姻関係であれば民法上で「貞操義務」が生じるので、その義務に反したと見なされて、慰謝料の請求が可能になります。
ただし「内縁関係」であれば、婚姻関係の時と同額の慰謝料の請求ができると見込めます。内縁関係であるかどうかのポイントは以下の通りです。
- 共同生活期間の長さ
- 親族から内縁関係を認めた証言
- 賃貸契約書の同居人に名前が記されている
- 住民票の住所が同一
この場合は、未婚であっても慰謝料の請求が可能とされています。
弁護士費用の相場はいくら?
弁護士を雇った方が、慰謝料の増額が成功しやすいです。
弁護士は裁判のプロですので、証拠の揃え方、パートナーへの反論、裁判の進め方に長けています。
費用面ですが「裁判を行うか」「示談を行うか」「慰謝料の金額」によって異なります。以下は料金プランの一例です。
◆示談の場合の例
着手金:10万~20万
報酬金:獲得額の15%~20%
◆裁判の場合の例
着手金:20万~30万
報酬金:獲得額の15%~20%
裁判や示談が長引いた場合は「追加料金」が請求されます。
まとめ:浮気の慰謝料の相場は50万~300万!「増額テクニック」を駆使して増額を狙おう
慰謝料の相場は50万~300万と幅が広いです。
浮気の悪質性、あなたが被った被害、パートナーの資産などで請求できる金額が変わります。
あなたの将来のためにも、パートナーがしっかりと反省するためにも、適切な慰謝料を獲得できるようにしましょう。